スタッフコラム
韓国の最初の驚き、引越し！
八幡のりこ (コリアプラザひろばスタッフ)
私が、韓国に住むことになったのは、8ヶ月前。
韓国人の主人との入籍から2年、
そして主人のふるさと釜山での結婚式からちょうど1年の春でした。
「日韓（韓日）国際結婚をしたからには、いずれは韓国に住み、
韓国語、そして韓国文化を私も理解したい。」と思ってはいた私。
ソウルでの生活をわくわく、楽しみながら送っています。
現在の私の肩書きは、語学堂に通う学生でもあり、
韓国人と結婚した日本人妻でもあり、
韓国で仕事を始めたワーキングウーマンでもあります。
3つの視点をもちながら、韓国と日本の間で感じることをご紹介していきたいと思います。
さて、こうして始まった韓国生活。
最初に、文化と風習の違いを
思い知らされたのは、引越しでした。
韓国上陸翌日、引越し荷物が到着するまでの
1週間分の荷物を入れたトランクを
ごろごろと転がしながら、不動産屋さんへ到着。
11時になると部屋の受け渡しをします!
とのこと。
日本から家探しをした二人は、ネットと電話で部屋を手配し、
下見は主人の弟にしてもらっていたので、どんな家なのか、今日始めて分かる、
「見てのお楽しみ状態」だったのです。
ついに新しい生活が始まる!!とドキドキと緊張を胸に伺うと、なんと、まあ!!!
人が居る! 荷物もある! 壁にいっぱいステッカーやポスターが張ってある!!
トイレもお風呂もさっき使ったまま・・・!!!
さっき朝ごはんを準備したそのままのキッチン…。
しかも引越しやさんも元住人も不動産屋さんも、皆さん、土足で上がってるではないですか!
これには、大変衝撃を受けました。
ちょうど、今、まさに、引越しやさんが荷物を運びだしている最中だったのです。
もちろん、今日までのこの家の住人もいらっしゃいます。
不動産屋さんが「どうぞ、そのまま。靴のままどうぞ。」とおっしゃられますが、
私は「今日から私の家なんです」、と叫びたくなる心境だったのです。
主人はなんともなしに、
「大丈夫、あとで2時から7時まで業者さんがクリーニングに入るから」と。
私の韓国生活、これから、どうのだろうかという不安を増大させるできごとでした。
出て行く人の引越しと入ってくる人の引越しが当日、
というのは、実は韓国では当たりまえ。それは、
韓国ならではの家賃制度にありました。
韓国では、家賃の支払い方法が
大きく分けて2つあります。
ひとつは、「月貰(ウォルセ)＋保証金」。
日本同様、月にいくらという支払い方法。
そのほかに、保証金を
何十万ウォン~何千万ウォンを用意します。
保証金が多いほど、月の家賃が低くなります。
もうひとつが「 專貰(チョンセ)」。
月に支払う金額は、0ウォン。全額が保証金。
何千万ウォン~何億ウオンを準備し、
大家さんに預け、その保証金は退室時に
全額戻ってくる、という制度です。
最後に全額返ってくるので、実質出費0というすばらしい制度です。
ただし、そのお金をためるのが大変なのですが･･･。
この保証金を、大家さんは、今までの借主に保証金全額を返さなければならないのですが、現金として手元に残している大家さんはほとんどおらず、次の借主が持ってくる保証金をそのまま前の借主に渡す、という綱渡りな方法で受け渡しが行われるのだそうです。
家主は保証金を銀行に預けそこから利子をもらうので、銀行の利子率が低くなると專貰(チョンセ)制度が成り立たなくなる可能性もあります。
ということで、われわれが用意した保証金が、大家さん、元借主と渡ったのでした。
この「 專貰(チョンセ)」清掃も含め、完璧な状態にして、次の借主が入居することが当たり前と思っていた私は、前の借主が居る状態で受け渡しをすることに、早速衝撃を受けた韓国2日目なのでした。
