倉田佳祐(金沢大学)

 

1. 業務概要

·         業務期間: 2023年7月31日 – 9月11日

·         業務日: 月曜日・水曜日・土曜日(その他追加業務日あり)

·         インターン目的: 日本から近くにある外国の韓国で、世界各国から集まるインターン生やアルバイトと一緒に業務を行い、ビジネスの場における英語でのコミュニケーションと多様なバックグラウンドを持った人々との業務経験を積む。国際交流に関連する団体での実務経験を積み、将来の進路形成への指針とする。

 

 

1. 業務内容

①YouTube製作

·         この業務では、週1回ACOPIAのYouTubeチャンネルに投稿する動画を企画から撮影・編集など一連の作業を全て担当した。業務で使用する動画編集ソフトの使用経験がないことに加え、動画編集自体も未経験であったことから、業務開始直後は動画編集ソフトの使用方法について学習することに注力した。

 

·         具体的な業務内容

o   動画の企画・撮影・編集

o   サムネイル作成

o   英語字幕作成

o   撮影スケジュール管理

 

·         企画:ACOPIAの知名度を上昇させることを主な目的とした。ターゲットは、日本国内・国外の韓国に興味がある人である。視聴者が飽きないようにするため、毎回独自性を持たせる内容を企画した。企画内容は、他の日本人インターン生が今までに考案したものからも使用した。また、撮影をスムーズに進行させるために、事前に原稿を作成したり、撮影の流れを設定した。企画内容はGoogle Drive上で管理されている。進捗状況をわかりやすくするため、撮影予定の動画や撮影済の動画はハイライト機能で色分けした。また、海外インターン生と動画の内容が被らないようにするため、海外インターン生が作成した内容の動画で企画内容が類似するものもハイライトして区別した。

これまでに企画した動画は以下の通りである:

o   練習生の韓国生活事情

この動画では、4人のACOPIA練習生に協力していただき、練習生としての韓国での生活内容や韓国に来てから苦労したことについて話してもらう時間を設けた。主な視聴者はK-Pop練習生として渡韓することに興味がある中高生の女性を想定した。K-Pop練習生としての韓国での生活をターゲットとなる視聴者が具体的に想像できるようにすることを目的としている。

o   K-Popファン名クイズ

この動画では、韓国生活事情動画と同じメンバーを対象としてK-Popのファン名を答えてもらった。クイズ形式のため、視聴者にも楽しんでもらうことを想定して作成した。練習生が回答しやすいように、主要なK-Pop グループから出題した。主な視聴者はK-Pop練習生として渡韓することに興味がある中高生の女性を想定した。K-Popを通してACOPIAや練習生としての活動に興味を持ってもらうことを目的としている

o   街頭インタビュー動画

この動画は、弘大エリアを歩く観光客に「好きなK-Popグループ/歌手は誰か」という質問をして回ったという内容である。質問対象は、韓国国内の韓国人観光客、日本人を含む韓国国外からの外国人観光客である。そのため質問には日本語のみならず英語や韓国語を使用する必要があった。自分は英語が話せる一方韓国語が話せないので、韓国語を話すことができる他のインターン生と一緒にインタビューを行った。撮影の際、手ブレや安全性、屋外での撮影であることを考慮してGoProを使用した。主な視聴者は、K-Popに興味がある日本人である。今までの動画の再生回数の傾向から、K-Popを主要な内容として取り入れ、ACOPIAの知名度を上昇させることを目的としている。

o   MAKOキャンプVlog

この動画では、8月19日から24日まで行われたMAKOキャンプの内容をVlog形式でまとめている。動画の各所にK-Popが流れるシーンを最大限用い、視聴者が動画に飽きることがないように配慮した。MAKOキャンプで視聴者が最も興味を持つと考えられる、オーディションの箇所に多くの時間を割り当てた。全日程を撮影することは不可能だったため、他のインターン生に撮影をお願いすることもあった。主な視聴者は、K-Pop練習生としてオーディションを受けることを考えている中高生である。MAKOキャンプの内容を具体的に知ってもらうことで、今後のMAKOキャンプへの参加者を増加させることを目的としている。

o   韓国語日常会話フレーズ

この動画では、3人のACOPIA練習生に協力いただき、韓国語の日常会話でよく使うものやこれだけは覚えておきたいものについて話してもらった他、会話形式で基本的な韓国語表現をデモンストレーションしてもらった。主な視聴者として、韓国に興味があるが韓国語の知識がない日本人を想定している。韓国語を通して韓国やACOPIAに興味を持ってもらうことを目的としている。

o   練習生インタビュー

この動画は撮影予定のものである。具体的な内容として、新しくACOPIA練習生として入った練習生を対象にインタビュー動画を撮影する。以前にもACOPIA練習生を対象としたインタビュー動画を撮影しているため、質問内容の追加・変更など改善を加える予定である。主な視聴者は、練習生と同年代でK-Popに興味がある中高生を想定している。新しいACOPIA練習生を視聴者に知ってもらうことを目的としている。

 

·         撮影:主に練習生の日常生活や練習風景を撮影した。撮影機材はソニーの一眼レフとジンバルを使用した。ダンス動画をはじめとしたカメラを動かす必要がある撮影ではジンバルを活用し、臨場感のある動画を撮影した。その他、人が密集している場所ではGoProを使用して撮影した。これは、一眼レフが破損するのを防ぐためである。GoProでの撮影は一眼レフでの撮影と比較して画質が劣化する傾向があるため、GoProの画質設定を最高に変更したり、明るい場所での撮影に限定して使用するなど、YouTubeに投稿した際の動画の質を下げることがないよう配慮した。

撮影前にはバッテリーが満充電されていること・メモリーカードの容量が十分にあることを毎回確認した。一部の撮影では、他のインターン生にも協力してもらうことがあった。具体的には、街頭インタビュー動画における質問者役である。

 

·         編集:Adobe Premiere Proを使用して編集作業を行った。具体的な編集作業は、動画のカット・日本語字幕の追加・効果音とBGMの追加である。全ての動画にACOPIAのオープニング動画やオリジナル曲、ACOPIA Schoolのロゴを挿入し、ACOPIAの動画であることを強調した。

字幕には基本的にポップなフォントと色を使用し、視聴者の目を引くことを意識した。また、商用利用可の多くのBGM・効果音をインターネット上でダウンロードし、各動画の雰囲気を彩ることを重視した。しかし、動画の内容によって雰囲気を異なるものに仕上げる必要があるため、場合によって字幕のフォントや色、BGMや効果音を使い分けることに時間を費やした。

動画の質を保持するため、撮影した動画を細かくカットして動画全体のテンポを良くすることや字幕のタイミングを音声と正確に合わせること、効果音を動画内の多くのシーンに挿入することなどに注力した。

 

·         サムネイル作成:Canvaを使用してサムネイル作成を行った。日本人インターンが製作していた従来のサムネイルのデザインを踏襲し、統一されたデザインで作成した。同時に、他動画のサムネイルを参考にしながら、視聴者の目を引くデザインで作成した。

 

·         英語字幕作成:日本国外からの視聴者を獲得するため、全ての動画に英語字幕を挿入した。YouTubeの字幕機能から見ることが可能になっている。翻訳ソフトを使用して作成した英語字幕をそのまま使用すると不自然な内容であったり、一部の言葉が間違って翻訳されることがあるため、可能な限り自分で翻訳することを心がけた。

 

·         撮影スケジュール管理:Google Drive上での管理。スケジュールに余裕を持たせることを意識しながら管理した。具体的には、撮影対象の練習生のスケジュールが合わなくなることを防ぐため、撮影日の1週間前にはスケジュールを設定したほか、投稿期日に間に合わせるために撮影と編集の作業比重を調整した。また、海外インターンが製作する動画と内容が重複しないように管理した。

 

·         動画作成の流れ:

o   企画(〜投稿日14日前)

o   撮影(投稿日12〜9日前)

o   編集(投稿日7日前〜3日前)

o   サムネイル作成・英語字幕作成(投稿日3日前〜投稿日)

o   投稿(毎週土曜日を期限として設定)

 

②練習生ダンス動画撮影

·         YouTubeに投稿する動画とは別に、オーディションに提出するなどの目的でACOPIA練習生のダンス動画を撮影した。

·         撮影場所はACOPIAのスタジオであることが多かった。スタジオでの撮影では、背景として表示される壁から備品を最大限取り除くこと、モニターにACOPIAのロゴを表示させること、照明を撮影環境に合わせることに配慮した。また、スタジオでの撮影の際、側面の鏡を活用して踊っている練習生が映るようにした。

·         YouTube投稿用動画の撮影と同様、ジンバルを活用し、立体感のある動画を撮影した。楽曲のリズムに合わせて撮影するため、知らない楽曲は撮影前に調べ、ダンスの流れを記憶した。

 

 

③ACOPIA宣伝動画撮影

·         ACOPIAの活動内容を周知するため、ACOPIAの業務風景や練習生のインタビュー動画を撮影した。練習生へのインタビューでは、質問内容を充実させるため即興で質問を深掘りすることに気をつけた。

 

④キャンプ引率

·         ルネサンスキャンプ(8/7-11)

o   ルネサンスキャンプでは、8/9のスケジュールに同行した。景福宮散策とダンススクールでの指導、昼食と夕食に同行した。スケジュールが逼迫していたため、時間を管理しながら臨機応変に行動することに注力していた。地下鉄を使用しての移動であったため、生徒全員が同時に乗り切れないなどのトラブルも発生したが、そうしたトラブルを想定して行動したため大きなトラブルが表出することはなかった。

·         MAKOキャンプ(8/19-24)

o   MAKOキャンプでは、初日である8/19のスケジュールに同行した。仁川国際空港から生徒を迎え、タクシーで宿泊地まで同行した。また、韓国語講座や合同オーディションなど、一部の様子を撮影した。YouTubeに投稿するためのVlogの撮影も並行して行った。

o   このキャンプには、日本のみならず欧米諸国から参加した生徒もいた。そのため、オリエンテーションなどの場面で英語通訳を担当した。

3. 業務から学んだこと

 ACOPIAでのインターンシップを通して学んだことは二点ある。

 一つ目は、外国人従業員との業務上でのコミュニケーションである。業務で英語を使用する場面は比較的少なかったが、異なるバックグラウンドを持つインターン生やアルバイトとのコミュニケーションに気を配ることに気をつけた。日本国外からのインターンやアルバイトはヨーロッパ出身の人であった。東アジアにおける常識とヨーロッパにおける常識は正反対と言えるほど異なる場合もあったため、それらの事柄に関する要求は直接的かつ簡潔に行うことを心がけた。

 二つ目は、国際交流に関連する団体としての業務経験である。業務開始前から、華やかな仕事ができるわけでは必ずしもないことは承知していた。そのため自分のやるべきことを正確に処理し、改善点を自分で見つけるという意識のもとで業務を行った。その業務の結果で練習生やYouTube視聴者などが韓国に興味を持つことに徹することを学んだ。