東京外国語大学 (延世大学語学堂留学中)石井怜美
私は、幼い頃から母とともに韓国の音楽やドラマに触れていたこともあり、長い間韓国の文化や歴史に興味を持っていました。また、漠然とではありますが将来は世界の人々と関わる仕事に就きたいと思っていました。大学進学の際も、以前より興味のあった韓国についてもっと深く学びたいとの思いから東京外国語大学の朝鮮語専攻を選びました。
留学までの2年半、大学の授業の大半は韓国語や韓国関連の授業ではありましたが、やはり実際に使う機会が少なかったため自身の韓国語能力にあまり自信がありませんでした。このまま卒業してしまっては絶対後悔するとの思いから、韓国留学を決めました。韓国の大学に交換留学生として留学する方法もありますが、私は学部ではなく語学学校にのみ通うことになりました。韓国では語学学校は大学の付属機関としてあるのが一般的で、私は中でも最も歴史があり丁寧な指導で有名な延世大学付属の語学堂に通うことにしました。
語学堂の授業は通常、平日の午前中のみ行われます。そこで、せっかく時間もあるのだから語学以外にも何か新たなことに挑戦しようと思い、インターンシップやボランティアを探し始めました。ACOPIAの存在を知ったのはちょうどそんな時でした。韓国にいながら日本人に韓国の魅力を伝える活動ができるというのはまたとない機会だと思い、こちらで働くことを決めました。
私の場合、勤務は月水金の週3回で、それぞれ勤務場所が異なります。
月曜日は地域の住民センターにて韓国の方に日本語を教える活動をしています。受講者の方々は皆さん初級のため、簡単なあいさつや旅行会話をメインに授業をしています。普段何気なく使っている言葉を改めて韓国の方に教えることで、日本語を見つめなおす良いきっかけになったと思います。私自身外国の方に日本語を教えた経験はなく、さらに未熟な韓国語力のために苦労も多いですが、大変貴重な経験をさせていただいていると思います。
水曜日はACOPIAカフェにて勤務をしています。業務内容はその日によって変わりますが、最近はK-POPツアーとして日本から来る方々のためのツアー計画やホームページの編集のお手伝いなどをさせていただいています。どれも初めて経験することばかりですが、日本の方々に日本を、韓国の方々に日本をより深く知ってもらうために頑張っています。
そして、金曜日はACIPIAひろばでの勤務をしています。ひろばは、韓国に住む日本人に対してネイティブによるマンツーマンの韓国語レッスンをする教室です。先生方のスケジュールを基に生徒との授業をマッチングしたり、生徒の方々に授業連絡をしたりなど事務作業が多いですがとても楽しいです。また、先生方とは韓国語でやり取りすることも多いため、自身の韓国語学習の実践の場にもなっています。教室にいらっしゃる生徒さんや先生方と雑談を交わすのも楽しみの一つです。
このように、予想していたよりも多岐にわたる活動をさせていただいています。また、インターンがなければ出会えなかったであろう人々との出会いも貴重な経験の一つです。
そして、インターンに加えてもうひとつ、ACOPIAを通して得た大きな経験がシェアハウスでの生活です。私はACOPIAでインターンをしている海外から来たインターンと共に生活をしています。それぞれ滞在期間が異なるためメンバーは時折変わりますが今はブラジル、フィリピン、フランス出身の子と生活しています。始めは、日本語も韓国語も通じない子たちとの生活に不安しかありませんでしたが、今では打ち解けて休日に一緒に出掛けたり食事に行ったりもします。正直、ストレスを感じることもありますが、最近ではそれも文化の違いの一つとして受け入れられるようになりました。海外の人との共同生活を通じて様々な国の文化・価値観を知ることができ、より自身の視野を広げることができたと感じています。
私の留学生活も残り4か月ほどですが、日々の経験や出会いを大切にして過ごしたいと思います。インターンの勤務も最近では少しずつ慣れてきたので、更なるレベルアップを目指して頑張っていきたいです。