日本女子大学 文学部 日本文学科(2014年度卒業) 荒井奏絵
2014年12月22日から光化門オフィスにてインターンをさせていただいている荒井奏絵と申します。私にとってこの団体でインターンすることは、原点回帰とも言えるかもしれません。
まず私が“韓国”に興味を持つようになったのは、大学一年生の春休みに友人たちとはじめて韓国に訪れた時からです。インチョン空港からバスに乗り、ソウルの中心に向かいながら、私が最初に感じたのは「不安」と「恐怖」でした。バスから見えるのは、ハングルだけの標識、せわしなく行き交う車、喧嘩しているように聞こえる韓国語の会話…そして、「韓国は反日だ」と、誰から聞いたかも分からないような言葉が、急に脳裏に浮かんだのでした。しかし、蓋を開けてみると、感謝感謝の旅になり、その旅以降の私の人生は、韓国一色に染まっていきました。そして何より、三泊四日という短い時間の中で偶然友人ができた事は、後の私の人生を変える大きなきっかけだったと思います。帰国後、友人との意思疎通のために韓国語の学習を始め、韓国語自体に面白さを感じ、韓国語にもどんどん魅了されていったのでした。
そして2012年11月インターネットで見つけた韓日社会文化フォーラム主催の日韓国際ワークキャンプに参加したことで、私は‘日韓’について考えるようになりました。韓国人の友人たちとの交流を通じて、日本と韓国について考えるようになり、避けて通れない日韓問題についても感心をもつようになりました。今の私の原点は、ここのキャンプだと思います。このキャンプで出会った友人たちに韓国留学を薦められ、はじめてそういった道があるんだということに気づかされ、真剣にその道にいくという選択を考えるようになりました。
そして続けて2013年3月にもこの団体の日韓国際ワークキャンプに参加し、更に日韓間で交流に勤しもうとする思いが強くなり、それ以降日韓交流という名の付くものは手当たり次第挑戦してきたように思います。
韓日学生フォーラム、日韓フレンドシップフェスティバル、日韓交流おまつり、日韓誠信学生通信使、東アジア平和人権キャンプ(日韓)、はなこりあ、PEACE&GREEN BOAT(日韓クルーズ)など…多くの活動に挑戦し、またその機会に恵まれ、日韓間での交流に熱意を持って取り組んできました。
そしてようやく2014年12月19日に、2012年から考え、悩み続けてきた道を選択し、韓国にやってきました。いざ韓国に行くちょうどいいタイミング(12/20-21)で韓日未来フォーラムというイベントがあることを知り、早速応募しました。
そのイベントの主催団体が、まさに日韓交流への熱意を私にもたせるきっかけとなった国際交流キャンプの主催団体、韓日社会文化フォーラムでした。ふと懐かしい思いでサイトを訪問したところ、「日本人インターン募集中」という文字が一直線に私の目に入ってきたのでした。チャンスだと思い、飛び込んで今、お仕事をさせていただいています。
ここで私が主に担当しているのは、第二回韓日未来フォーラム関連の仕事です。私自身、インターン応募前に韓日未来フォーラムに応募しており、運よくどちらも決まったので、直接の参加者としての経験から、韓日未来フォーラム関連の仕事の担当になったのでした。韓日未来フォーラムというのは、若者が日韓関係の担い手であり、その若者たちによる話し合いの場が必要だということで今後も継続されていく、有意義なプログラムです。
第二回である今回は、「既存メディアと日韓関係」というテーマを中心に進められました。アイスブレイキングも兼ねた立場反転ディスカッション、朝日新聞貝瀬秋彦ソウル支局長による講演、座談会(フリーテーマで討論)、ポスターセッション、総合討論というプログラムをわずか1泊2日の時間で全てこなしました。休む暇なく、討論や発表をしていたように思います。大変だと感じることはなく、とても充実した有意義な1泊2日となり、私自身得られるものも大きかったです。開会式で委員長が「正当な批判を恐れずにしてください。」と言っていたのですが、その言葉通りに参加者が皆「正当な批判」をし、受け入れ、そしてまた考え…という良い流れがありました。今や活発にどこでも行われている日韓交流ですが、そのほとんどは文化的な面のみを強調した、いわゆる‘楽しいだけ’の交流だと思います。確かにそういった交流のほうが、簡単で行いやすい上に、満足もできるでしょう。しかし、今回はそういった交流よりも一歩踏み込んだ交流が出来ました。それは恐らく今回参加してくれた参加者達の姿勢と、実行委員達の努力によるものかと思います。私たちが実際に抱えている問題について、知識や意見をもって交流する場、今後より必要となるであろうそんな場がまさに韓日未来フォーラムだったと思います。
実際にフォーラムに参加しているからこそ、フォーラムの有意性を感じ、丁寧に仕事をこなしていきました。プログラム構成/運営、コンテンツ構想、資金集め/資金活用などのほとんどの業務は、実行委員達が主となって試行錯誤しながら準備しているものなので、こちらが行わなければならない実務は、準備段階の補助と次回の委員会の選抜や、最終報告書の確認、郵送、認定書発行、関連サイトページの運用、参加後記まとめ、日本語訳等です。認定書発行が年末連休により遅れてしまった時の対応や、問い合わせに対する返答などひとつひとつの行為が、いいものだった韓日未来フォーラムの印象を悪くしてしまうかもしれないという不安もありましたが、韓国人スタッフや代表の力添えもあり、しっかり対応できたかと思います。また仕事を通して、参加者たちの後記を読み、熱のこもった感想に、第三回韓日未来フォーラムへの期待も膨らみました。そしてそれを上手くサポートしていかなければならないという責任感も生まれました。
この団体でインターンをすることで、実際に日韓交流の場を作り出すプログラムに携わることが出来、今までは参加する側だったものの裏側をのぞくことができました。次回また何か別の交流行事に参加するときには、今までとは異なった視点で“日韓交流”が出来るのではないかと思います。
私に日韓交流の楽しさと難しさを教えてくれた私の’原点’である、この団体でインターンとして働きながら、日韓交流の意義、実現、実行のために何が出来るか自問自答しながら、自分なりの答えを見つけていこうと思います。